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出願に必ず必要!意匠図面の基本

 

知的財産分野の意匠図面とは

 

意匠登録を受けるために、出願書類として必要となる図面のことです。

 

建築業界で使われている「意匠図面」とは全く異なる図面です。

 

 

 

※知的財産における意匠についてはブログ記事「意匠とは?意匠図面とは?」でも紹介しています。

知的財産分野での意匠図面


知的財産における意匠図面のサンプル

知的財産分野の意匠図面は、ある物品を意匠登録する際に必要となる図面です。

建築分野での意匠図面


建築分野における意匠図面のサンプル

間取りや外観など、建物の基本プランとデザインを決定するために作成する図面です。


 

知的財産分野における意匠図面では

 

「特徴のある形」をこの図面で表すために、複数の図面を一組として特許庁に出願申請します。

 

 

 

 

物の形状を可能な限り図面上に表現し、意匠登録の権利を考慮した上で作成されます。

 

設計図や機械図面とはまた異なった目的を持つため、それらの図面とは別に作成されることも多々あります。

 

一般的に広く知られている形状「サイコロ」を例にしてみましょう。

6面図


サイコロの1の目
サイコロの4の目
サイコロの2の目
サイコロの5の目
サイコロの3の目
サイコロの6の目

意匠登録を受けようとする物品が立体形状の場合は、こうした正投影法図により各図同一縮尺で作成された6面図が必要となります。

 

サイコロの形状を、それぞれの面から眺めたときの方向で、それぞれ描画しています。

 

 

これらの図面だけでは形状を十分に表すことができないときには、加えて下記のような図面が必要です。

斜視図


サイコロの斜視図。1と2と3の目が見える角度として描画している。

 

「斜視図」は等角投影図法または斜投影図法によって表したものが申請用図面として使用できす。

 

 

サンプル画像は「正面図(3の目)、平面図(1の目)、右側面図(2の目)を表す斜視図」です。

 

 

 

斜視図によってサイコロの角に丸みが付いていることがわかり、全体の形状がわかります。

 

 


断面図


サイコロの断面図。断面図の存在で、このサイコロの中身が空洞であることが示される。

 

 

 

 「断面図」は、物品の断面がどのような状態かを表すための図面です。

 

この断面図があることにより、例に挙げているサイコロの内部が空洞であることがわかります。

 

断面図がなければ中身が詰まっているか、空洞かは分からず仕舞いだったことでしょう。

 

また、サイコロの目が凹んでいることもよくわかります。


拡大図


サイコロの1の目の周りを文字が囲んでいるが小さい文字なので見えにくい
サイコロの1の目を拡大した状態

この他に、6面図と同様の縮尺では図形が小さい状態になってしまう場合に「拡大図」が必要となります。

 

 

例えばサイコロの「1」の目の周りに「NITECO」のロゴが小さい文字で印刷されている場合

 

この他の図と縮尺を合わせているために、文字が見えにくい状態です。

 

 

申請図面は大きさに規定があるため、図面そのもののサイズも変更できません。

 

こういったときに拡大図を利用して、物品の特徴をわかりやすく示します。

 

 

 

 

今回の記事では知的財産分野の意匠図面について、簡単ではありますが解説いたしました。

  

同じように「意匠図面」と呼ばれるものでも、建築分野と知的財産異分野とではまったく違う図面になります。


記事担当:佐々木 紗野(ささき さや)

株式会社ニテコ図研3年目社員。芸術系大学卒で芸術・デザイン関係への関心が高い。会社内ではWEB・教育事業・意匠写真を主に担当している。思ったことをすぐ口にするタイプのため独り言が多く反省中。

趣味はサイクリング。



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