ニテコ図研の上川です。
Adobe Illustratorは、DWGデータ、DXFデータを開く、またはDWGデータ、DXFデータに書き出す事ができるので、
Adobe IllustratorでDWGデータ、DXFデータを利用する場面がよくあります。
●取扱説明書のイラストやアイソメ図(等角投影図または等角図)を描く場合は、
DWGデータ、DXFデータをAdobe Illustratorで開き、図面を利用して描く事ができます。
●取扱説明書の製品寸法図を描く場合は、
DWGデータ、DXFデータをAdobe Illustratorで開き、図面を編集する事ができます。
●特許図面を描く場合は、
Adobe Illustratorで作図が難しい部分やハッチングなどはAutoCADでハッチング部分や一部分だけ作成して
Adobe Illustratorに戻す事ができます。
・Adobe IllustratorのデータをDWGデータ、DXFデータに書き出します
・AutoCADでハッチングなど作図します
・ハッチングなど作図したDWGデータ、DXFデータをAdobe Illustratorで開きます
この様に、Adobe IllustratorではDWGデータ、DXFデータを開く、またはDWGデータ、DXFデータに書き出す事ができるので便利です。
今回は「DWGデータ、DXFデータをAdobe Illustratorで開く場合に注意している事」を紹介したいと思います。
DWGデータ、DXFデータのバージョン
DWG、DXFデータにもバージョンがあります。
AutoCADで作成したDWG、DXFデータ 2010、2007、2004、2000バージョンを
Adobe IllustratorCC2017で開いてみたところ特に問題なく開く事ができました。
しかし、AutoCADで作成したDWG、DXFデータ 2013バージョンは開く事ができませんでした。
また、Adobe Illustratorのヘルプでは、
「Illustrator CS でサポートしている AutoCAD のバージョンは AutoCAD 2000 またはそれ以前のバージョンのみとなります。」
と記述があります。←Illustrator CS における DXF/DWG 形式オプションと対応状況(Adobeヘルプ)
この様に、DWG、DXFデータのバージョン、DWG、DXFを作成・書き出したアプリケーション、Adobe Illustratorのバージョン
によって、DWG、DXFデータを開いた時の結果が変わってきます。
Adobe IllustratorでDWGデータ、DXFデータを開くと線(スプライン曲線)が崩れる
A、BともにAutoCADの円コマンドで描かれている様に見えますが、Bはスプラインで描かれたものです。
A、Bが描かれたDWG、DXFデータをAdobe Illustratorで開くと、Bのスプラインで描かれた図は形が崩れてしまいます。
この様に、Adobe IllustratorでDWGデータ、DXFデータを開くと線(スプライン曲線)が崩れてしまう対処として
AutoCAD側でスプラインの設定「度」を変えます。
AutoCAD側でスプラインの設定「度」を「3」と「4」に変えたDWG、DXFデータをAdobe Illustratorで開くと、
DWG、DXFデータで描かれていた図形に近づいています。
Adobe IllustratorでDWGデータ、DXFデータを開くとハッチングが崩れる
Adobe IllustratorでDWGデータ、DXFデータを開くとハッチングが崩れる場合は
AutoCAD側でハッチングを分解します。
※分解してしまうと、ハッチングの編集ができなくなるので分解前のデータを残しておいてください。
Adobe Illustratorのドキュメントのカラーモード
Adobe IllustratorでDWGデータ、DXFデータを開くとドキュメントのカラーモードが「RGB」になっている事があります。
必要に応じて、「CMYK」に変更してください。
以前のブログ「Illustrator取扱説明書 テンプレートの作成と注意点2」でドキュメントのカラーモードについて
紹介しています。
Adobe Illustratorの線種設定
Adobe IllustratorでDWGデータ、DXFデータを開くとDWGデータ、DXFデータを作成したアプリケーションの
線種設定で開かれる事があります。
見かけは、黒でも「K」ではない場合がありますので確認してください。
選択→共通→カラー(塗り)またはカラー(線)などで選択すると簡単に選択できます。
Adobe Illustratorは、DWGデータ、DXFデータを利用する事ができるので、
Adobe IllustratorとドローソフトAutoCADなどを、うまく組み合わせる事で作業効率がアップします。
記事担当:上川 智子(うえかわさとこ)
Illustratorとチョコレートをこよなく愛する、株式会社ニテコ図研18年目社員。
会社内では特許図面、取扱説明書、パーツリスト作成、3Dデータ作成などを担当している。
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