こんにちは、佐々木です。
特許図面においては発明の内容を示すためにしばしば断面図が用いられます。
発明の内容により断面図は様々に描画されますが、ここでは特許図面における断面図について一般に共通することを記事にしたいと思います。
特許図面については「特許出願と図面 特許図面はなくてもいい?」でも触れていますので、よろしければご覧ください。
ハッチングとは
ハッチング(Hatching)は一定の面を平行な線を用いて埋める絵画技法のこと。CADにおいては指定の面を線や模様のパターンで埋めるコマンドを指します。
日本国内出願での特許図面は、規定により切断面にハッチングが必要
特許庁の出願手続きの「第二章 特許出願の手続 第四節」によれば
「切断面には、平行斜線を引き、その切断面中異なる部分を表す切断面には、方向を異にする並行斜線を、それができないときは、感覚の異なる並行斜線を引く」
以上のように規定されています。
日本国内出願の特許図面において、切断面へのハッチング表現は必須です。
参考外部リンク: 特許庁 出願の手続き ( https://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/syutugan_tetuzuki.htm )
特許図面での切断面の表現
特許図面における切断面のハッチングは、どのようなものになるのでしょうか。
一例としてサンプル画像を作成しました。
サンプル画像では構造を簡単なものにとどめていますが、多くの部品が入り組んでいるものでもこうして断面を表現する必要があります。
材質に応じた様々なハッチング表現
米国の特許規則では、図面に関する規定がとても細かく定められています。
断面図に関する内容だけでも、日本の規定よりずっとボリュームがあります。
既定のように米国出願では、断面において材質を視覚的に示す必要があります。
材質の表現は下記の表現(画像では一部を抜粋)が推奨されており、日本国内出願の図面にもこの断面表現は一般的に使用されています。
海外諸国の法令、条約などについては特許庁のホームページで各国の和訳PDFをダウンロードできます。
参考外部リンク: 特許庁 諸外国の法令・条約等 ( https://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/fips/mokuji.htm )
こうした断面表現など、細かなことにも気を配って作図を心掛けたいですね。
記事担当:佐々木 紗野(ささき さや)
株式会社ニテコ図研3年目社員。芸術系大学卒で芸術・デザイン関係への関心が高い。会社内ではWEB・教育事業・意匠写真を主に担当している。思ったことをすぐ口にするタイプのため独り言が多く反省中。
趣味はサイクリング。
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